投稿・寄稿記事
私のお薦めの一首・好きな漢詩
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| 澧水橋西小路斜 | 澧[れい]水の橋西 小路斜めなり |
| 日高猶未到君家 | 日高くして猶お未[いま]だ君が家に到らず |
| 村園門巷多相似 | 村園門巷 多く相い似たり |
| 處處春風枳殻花 | 処処の春風 枳殻[きこく]の花 |
(枳殻[きこく]─からたち)
澧水橋の西の郊外、細い道が続いている。日も大分高くなったのに、まだ君の家に着けない。村里の家々は同じような作りで、何処を行ったらよいのやら。あちらこちら春風が吹いて枳殻[からたち]の白い花が咲きにおう。
始めて来た処でも、何となく前に来たような慕わしげな思いにかられることがある。この雍陶の詩は白秋の「からたちの花」や「この道」と相俟って、心の底の記憶をよびさますような懐かしい味わいを持つ。「処処の春風 枳殻の花」思わず口をついてくる一句、さりげないが品のあるこのような詩を作りたいと、常々思っているのである。


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