投稿・寄稿記事
私のお薦めの一首・好きな漢詩
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| 渡水復渡水 | 水を渡り復た水を渡り |
| 看花還看花 | 花を看て還た花を看る |
| 春風江上路 | 春風江上の路 |
| 不覺到君家 | 覚えず君が家に到る |
春の日の長閑さに隠者の胡君を尋ねようという気持になり、ぶらりぶらりと花に浮かれながら歩いた様子を工[たくみ]に現した詩である。文字に何の技巧をしない処に「自然の妙味」が出ている。
然し、「自然」と「平凡」の区別は僅かに紙一枚の差である。どこに自然の旨味が有るかという事は、充分に精思して悟るべきである。
この詩は「四句一意の法」で作られている。起承二句は、五仄五平で一種の拗体詩で古調、しかも縄墨に拘束されぬ所に一層の面白味を感ずるのである。青邱集中五絶の圧巻である。文字の剪裁にのみ苦心する者は、このような自然の飾り気のない詩は出来ぬ。
天来の美、神来の妙を得るは、文字以外に「大悟の境」有るを知らねばならぬ。生涯に一首でも、このような秀作を詠じたいものである。


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