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私のお薦めの一首・好きな漢詩
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第二次ベビーブームの後半に生まれた者にとって、大学受験は本当に熾烈[しれつ]な「戦争」だった。当時、自ら恃[たの]むところ頗[すこぶ]る厚かった私は、天狗であったが故に、深い挫折を味わった。
かつて高校で机を並べていた同期は、三十を超えた今、キャリア官僚や一流企業の幹部となり、また、弁護士、会計士、医師となって活躍している。
翻[ひるがえ]って吾が身を省[かえ]りみれば、敗者復活戦と称して大学院に進んだものの、まだまだ梯子の途中で宙ぶらりん、勝ち上がるのは容易ではない。
王昌齢の「芙蓉楼にて辛漸を送る」詩に云う、
| 洛陽親友如相問 | 洛陽の親友 如[も]し相い問はば |
| 一片冰心在玉壺 | 一片の氷心 玉壺に在りと |
ハハア、と思った。この心境は、挫折を味わった者でなければ判らない。
王昌齢とて、腸[はらわた]が煮えくりかえるほど悔しかったに違いない。それなのに、「一片の冰心」と言う。この二句が、ここ十数年、私の頭から離れない。


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