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書評など
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本連盟の常務理事、神奈川県漢詩連盟会長を務める著者は、ここ十餘年の漢詩への打ち込みを一篇の好著として上梓された。
漢詩の心は日本人が伝統的に培ってきた、短歌や俳句の歌ごころと同じと云う著者の実感は漢詩への挑戦心をくすぐる。
本書は引用の出典が明確に示されていることが特徴で、本書を手懸りとして興味の範囲を拡げてゆくことが出来る。漢詩作りへのガイドとして、主に七言絶句に焦点をあて、ルールから実作へのスッテプが著者の経験に基いて説明されている。要点がよく押えられており初心者にとって大変判り易い。
前半の“名詩翫読”の部では詩に達詁(一定の解釈)なしの説明として王之渙の「鸛鵲樓に登る」の転句と結句の“千里の目を窮めんと欲して、更に上る一層の楼”を例に引いている。此の詩が詠まれたのは、第二層なのか第三層なのかと云う問題提起をするなかで、著者の推論と解釈のなかに自ずと引き込まれて漢詩翫読の醍醐味を堪能させてくれる。
後半の“葦舟棹聲集”は自詠詩篇で、四季折々の風光や日常生活での觸目が詠じられて、その詠みぶりはストーンと胸底に納まってくる。国内外の旅行詠も、読者にとって写真のアルバムを操るように脳裡に景色が蘇り、風の音が聴こえて、自然に作者の感慨の世界に誘われている。詩篇中「蟹」や「蝸牛禪師」は思わず頬が緩んでくる詠みぶりで、著者の自画像とも察せられ好感がもてる。
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中山 清
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