連盟の活動報告
文化祭・漢詩大会の報告
|
| 東都城裏客中秋 | 東都[とうと]城裏[じょうり] 客中[かくちゅう]の秋[あき] |
| 陋巷索居微禄羞 | 陋巷[ろうこう]の索居[さくきょ]に 微禄[びろく]を羞[は]ず |
| 故国不帰知幾歳 | 故国[ここく]帰[かへ]らざること 知[し]んぬ幾歳[いくさい]ぞ |
| 半窗弧月照低頭 | 半窓[はんそう]の弧月[こげつ] 低頭[ていとう]を照[て]らす |
与えられたテーマが「月」なので、その字を眺めているうちに、最近テレビや新聞でよく目にしている「非正規社員」「派遣切り」などの言葉を思い、さらに貧窮に喘ぎ、孤独に悩む若者の月に照らされた横顔を連想しました。使い古されているが題を「貧居對月」として、大都会の片隅に生きる青年の孤独を描くことにしました。
起承転の三句は、やや説明的に過ぎるかとも思ったが、あまり苦しまずに成りました。
結句は初め一窗明月照郷愁としていたが、この月は主人公には大きすぎ明るすぎると思い「半窗孤月」に改めました。また、「愁」の字を使いたくなくて他の字を探したが、適当な字が見つからないまま二、三日が空しく経過しました。
暫く作詩から離れ読書をしているうちに、李白の『靜夜思』に改めて感銘を受け、擧頭望山月、低頭思故郷にヒントを得て、下三字を「照低頭」としました。
図らずも賞を頂いて驚くとともに、非常に喜んでいます。石川忠久先生をはじめ、漢詩大会実行委員の諸先生に心より感謝いたします。今後もこの賞を励みとして、さらに精進したいと思っております。


Copyright © 2010 全日本漢詩連盟
All Rights Reserved.