連盟の活動報告
『扶桑風韻』の報告
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| 甲州山樹已凋黄 | 甲州[こうしゅう]の山樹[さんじゅ] 已[すで]に凋黄[ちょうおう] |
| 日暮停筇古戰場 | 日暮[にちぼ]筇[つえ]を停[とど]む 古戦場[こせんじょう] |
| 一片舊碑殘壘下 | 一片[いっぺん]の旧碑[きゅうひ] 残塁[ざんるい]の下[した] |
| 西風颯颯草茫茫 | 西風颯々[せいふうさつさつ] 草茫々[くさぼうぼう] |
数年前の晩秋。武田氏発祥の地とされる韮崎の武田神社を皮切りに、終焉の地大和村までの小旅行をした。最後に訪れたのが、徳川家康が武田家一族の冥福を祈り建立した景徳院であった。既に夕暮れ時で闇がせまりくる境内は、何とも言い難い雰囲気につつまれ、おもわず立ちつくしてしまった。その時の情景を詠んだものです。
最初に浮かんだのが「草茫茫」「古戦場」で、これを念頭に置いて作り始めた。
結句を「旧碑一片草茫茫」とし、転句を「似弔鳥声空涕涙」とした。「古戦場」を承句に、「已凋黄」を起句に入れて、晩秋の夕暮れ時の舞台装置とした。
しかし、転句に問題ありの指摘を受け、再考。もう一度あの情景を振り返り、聴覚をやめ、視覚に改めようと推敲の結果、「旧碑一片」を思い切って転句に入れ、「一片旧碑残塁下」とした。
結句は句中対になるよう上四字を「西風颯颯」として、余韻が残るようにした。「残塁下西風颯颯草茫茫」が服部承風先生の「初学詩偈法」の、転句の作り方にある転句・結句の「十字一意」にかなっている事が確認できた。改めて、基本の大切さを痛感し、「初学詩偈法」を再読する今日この頃です。